
元気に育った観葉植物を見ていると、もう一鉢ほしくなることがあります。伸びすぎて切った茎を、そのまま捨てるのがもったいないと感じたこともあるかもしれません。観葉植物の多くは、家にある株から自分で増やせます。
私自身、最初はポトスを1鉢だけ育てていました。切った茎を挿し木にしてみたら根が出て、気づけば5鉢に増え、それぞれ違う部屋に置いて楽しんでいます。大事にしていたモンステラを夏の暑さで弱らせたときも、前に挿し木で増やしておいた株があったおかげで、育て直すことができました。
この記事では、増やし方の種類と品種ごとの向き不向きから入ります。そのうえで挿し木・水挿し・株分けの手順と、増やした株の育て方や失敗しやすいことまで順番にまとめました。
どの方法も、時期と置き場所さえ押さえればむずかしくありません。まずは手元の株に合った方法を見つけてください。
この記事で分かること
- 観葉植物の増やし方の種類と、品種に合った方法
- 増やすのに向いている時期
- 挿し木・水挿しの手順と、根を出すコツ
- 株分けの手順と、分けたあとの管理
- 増やした株の育て方と失敗しやすいこと
こんな人におすすめ
- 剪定で切った茎を生かしたい人
- お気に入りの株をもう一鉢増やしたい人
- 挿し木や株分けにはじめて挑戦する人
- 弱ってきた株を、挿し木で残しておきたい人
観葉植物の増やし方の種類|品種に合った方法を選ぶ
観葉植物の増やし方は、茎を切って根を出させる挿し木と水挿し、根元の株を分ける株分けが中心です。ほかに茎伏せ・取り木・種まきもあります。ポトスやアイビーのようなつる性は水挿し、サンスベリアのように根元から子株が出る品種は株分けが向いています。多肉植物なら、葉を1枚土の上に置いておくだけの葉挿しでも増やせます(手順は多肉植物の育て方にまとめています)。
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| 方法 | どんな方法か | 向いている品種 | 根が出るまで | 難しさ |
|---|---|---|---|---|
| 水挿し | 切った茎を水に挿して根を出させる | ポトス・アイビー・モンステラ・フィロデンドロン | 1〜3週間ほど | やさしい |
| 挿し木 | 切った茎や枝を土に挿して根を出させる | パキラ・ガジュマル・ゴムの木・ドラセナ | 2〜4週間ほど | ふつう |
| 株分け | 根元から出た株を、根ごと分ける | サンスベリア・スパティフィラム・オリヅルラン | 根がついた状態で分ける | やさしい |
| 茎伏せ | 節のある茎を土の上に寝かせて芽と根を出させる | モンステラ・ドラセナ | 1〜2か月ほど | やや難しい |
| 取り木 | 幹につけたまま根を出させてから切り離す | ウンベラータ・ゴムの木 | 1〜2か月ほど | やや難しい |
はじめて増やすなら、ポトスの水挿しがいちばん手軽です。私が最初に挿し木で根を出せたのもポトスでした。根が伸びていく様子が瓶の外から見えるので、うまくいっているかがすぐにわかります。
\ 水挿しで増やしやすいポトスの育て方 /
観葉植物を増やす時期|5月〜7月がいちばん成功しやすい
観葉植物を増やすのにいちばん向いているのは、気温が上がって株がよく育つ5月〜7月です。挿し木や水挿しは9月ごろまでできますが、株分けは根を切るぶん負担が大きいので、植え替えと同じ5月から梅雨入り前が安心です。冬は根が出にくいので避けてください。
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| 方法 | 向いている時期 | ひとこと |
|---|---|---|
| 挿し木・水挿し | 5月〜9月(特に5〜7月) | 真夏は朝の涼しい時間に作業する |
| 株分け | 5月〜梅雨入り前 | 植え替えのついでに行うと手間が少ない |
| 茎伏せ・取り木 | 5月〜7月 | 根が出るまで時間がかかるので早めに始める |
| 種まき | 気温が20℃を超える5月〜6月 | 種はとりまき(新しいうち)が基本 |
挿し木・水挿しで観葉植物を増やす方法|節のついた茎を切り、明るい日陰で根を待つ
挿し木と水挿しは、節(葉のつけ根)のついた元気な茎を10〜15cmほど切り、下の葉を取って土か水に挿す方法です。明るい日陰に置けば、水挿しで1〜3週間、土に挿したものは2〜4週間ほどで根が出てきます。
挿し穂のつくり方
- 元気な茎を選び、節を2〜3つ含めて10〜15cmほどの長さで切る。はさみやカッターは刃をふいて清潔にしておく
- 下のほうの葉を取り、上の葉を2〜3枚残す。葉が大きい品種は、半分ほどに切って水分が逃げるのを減らす
- 切り口を斜めに切り直し、1時間ほど水につけて水を吸わせる
ポトスやモンステラは、葉のつけ根の少し下から出ている茶色い突起(気根)から根が伸びます。気根のついた節を必ず挿し穂に含めてください。気根も節もない茎だけを挿しても、根は出てきません。
水挿しの手順
透明な瓶やコップに水を入れ、節が水に浸かるように挿し穂を立てます。葉は水に浸けないようにしてください。水は毎日か2日に一度取り替え、濁ったらすぐに替えてください。根が5cmほど伸びたら、観葉植物用の土に植え替えます。
水挿しは、そのままインテリアとしても楽しめるのがいいところです。私はキッチンの窓辺に、水挿し中のポトスを並べています。
土に挿す手順
土は、肥料分の入っていない清潔なものを使ってください。赤玉土の小粒や、挿し木用の土が向いています。割りばしで穴をあけてから挿し穂を3〜5cmほど挿し、まわりを軽く押さえてたっぷり水をやってください。その後は明るい日陰に置き、土の表面が乾かないように管理します。新しい葉が動きだしたら、根が出た合図です。
根を出すコツ
いちばん大事なのは置き場所です。私も最初は適当な場所で挿して何度も失敗しました。直射日光の当たらない明るい日陰で、乾かさないことを意識してから、うまくいくことがぐっと増えています。土に挿したときは、透明な袋をふんわりかぶせると乾燥を防げます。蒸れないよう、1日1回は袋を外して空気を入れ替えてください。
挿す前に、切り口を活力剤を薄めた水にしばらくつけておく方法もあります。メネデールは水で100倍に薄めて使うもので、植え替えのあとの水やりにも使えます。リキダスとの違いや冬の使い方は、観葉植物の活力剤は必要?メネデールとリキダスの違いの記事にまとめました。
― 挿し木にも使える植物の活力剤 ―
茎伏せと取り木
茎伏せは、節のついた茎を5cmほどに切り、湿らせた土の上に横に寝かせて半分ほど埋める方法です。モンステラやドラセナの、葉のない太い茎を生かせます。取り木は、幹の皮を一周はいでから湿らせた水ごけで包み、根が出てから切り離す方法です。背が伸びすぎたウンベラータやゴムの木を、低く仕立て直したいときに使います。
株分けで観葉植物を増やす方法|根のついた株を分けて植える
株分けは、根元から複数の株が出ている観葉植物を、根のついた状態で分けて植える方法です。はじめから根があるので失敗が少なく、分けたその日から一鉢として育てられます。サンスベリアやスパティフィラム、オリヅルランが向いています。
株分けの手順
- 鉢を横に倒し、株元を持って株を抜く
- 根についた古い土を軽く落とす。黒くやわらかい根があれば切り取る
- それぞれの株に根がしっかりつくように、手で分ける。手で分けにくいときは、清潔なナイフで根元を切り分ける
- 分けた株を、それぞれ株に合った大きさの鉢に新しい土で植える
- 鉢底から流れ出るまで水をやり、明るい日陰で1週間ほど休ませる
私が最初に株分けしたのはサンスベリアでした。鉢がぱんぱんになるほど子株が増えていたので、思いきって3つに分けたところ、どれも元気に育ってくれています。分けた株が小さすぎると回復に時間がかかるので、それぞれに根と葉がしっかり残るように分けてください。
サンスベリアは、葉を切って土に挿す葉挿しでも増やせます。ただし、ふちに黄色い斑の入る品種を葉挿しにすると、斑の消えた株になることがあります。斑を残したいなら株分けで増やしてください。
分けたあとの管理
分けた直後は、根が傷ついて水を吸う力が落ちています。植えたときの1回のあとは、土が乾いてから水をやるようにしてください。私はスパティフィラムを株分けしたとき、いつもと同じように水をたっぷりやり続けて、根腐れさせかけました。肥料は、新しい葉が出てから薄めた液体肥料を少しずつ始めます。
株分けは植え替えと同じ作業の流れで進めます。鉢の選び方や植え方は、植え替えの記事で確かめてください。
\ 植え替えの時期と手順 /
種から観葉植物を育てる|時間はかかるが、実生ならではの楽しみがある
パキラやコーヒーの木、ガジュマルなどは、種から育てることもできます。種から育てることは、実生(みしょう)と呼ばれています。観葉植物の種は店にあまり出回らないので、専門店や通販で新しい種を探すのが近道です。
種は、種まき用の清潔な土に種の大きさの2〜3倍ほどの深さで埋め、霧吹きで湿らせます。明るい日陰で乾かさないように管理し、本葉が2〜4枚出たら1本ずつ鉢に移してください。コーヒーの木のように、発芽まで1か月以上かかる品種もあります。
時間はかかりますが、そのぶん愛着がわきます。私が種から育てたパキラは3年目になり、成長のゆっくりさまで含めて特別な一鉢です。
増やした観葉植物の育て方|失敗しやすいことと対処
増やしたばかりの株は、根が少なく環境の変化に弱い状態です。直射日光を避けた明るい日陰に置き、水は土が乾いてから与え、肥料は新しい葉が出るまで待ちます。根が張って葉が動きだしたら、少しずつふだんの管理に戻してください。
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| 失敗 | よくある原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 挿し穂が根を出さずに枯れる | 乾燥・直射日光・節のない茎を挿した | 節を含めて切り、明るい日陰で乾かさない |
| 切り口が黒く腐る | 水挿しの水が古い・土が湿りすぎ | 腐った部分を切り直し、水をこまめに替える |
| 水挿しから土に移したら弱った | 水の中で伸びた根が、土になじむまで時間がかかる | 植えてしばらくは土を乾かしすぎず、明るい日陰で休ませる |
| 株分けした株が元気をなくす | 小さく分けすぎた・水のやりすぎ | 根と葉が残る大きさで分け、水は土が乾いてから |
| 大きな鉢に植えて根腐れした | 土が多すぎて乾かない | 小さめの鉢で始め、育ったら一回りずつ大きくする |
親株が弱ってきたときに、元気な茎を挿し木で残しておくのも増やし方のひとつの使い道です。根腐れで株が助からないときの残し方は、根腐れの記事でも紹介しています。
\ 根腐れの見分け方と復活させる手順 /
観葉植物の増やし方でよくある質問
まとめ|観葉植物の増やし方は「品種に合った方法を、暖かい時期に」
観葉植物の増やし方は、つる性や茎の柔らかい品種なら挿し木と水挿し、根元から子株が出る品種なら株分けが基本です。5月〜7月に、節のついた元気な茎や根のついた株を使って明るい日陰で育てれば、はじめてでも十分に成功します。
- ポトスやアイビーは水挿し、サンスベリアやスパティフィラムは株分けが向く
- いちばん成功しやすいのは5月〜7月。冬は避ける
- 挿し穂は節を含めて10〜15cmに切り、下の葉を取る
- 根が出るまでは直射日光を避けた明るい日陰で、乾かさない
- 増やした株は小さめの鉢で始め、肥料は新しい葉が出てから
自分で増やした株は、買ってきた株とは違う愛着がわきます。弱ったときの保険になるのも、私がモンステラで助けられた経験から実感していることです。
まずは、次に剪定するときに切った茎を1本、水を入れた瓶に挿してみてください。
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