
サンスベリアは「枯れにくい観葉植物」の代表として名前が挙がることの多い植物です。それでも、買ってから1年もたたずに根元がぶよぶよになったり葉がばたばた倒れたりして、手放してしまう人は少なくありません。
私自身もサンスベリアを鉢植えで育てています。最初の冬は水のやりすぎで根腐れさせてしまい、水はけのよい土に植え替えてから、ようやく新しい葉が次々と伸びてくるようになりました。いまでは50cmを超える株に育っています。
この記事では、サンスベリアを枯らす原因のほとんどを占める水やりと冬の寒さの対策から、植え替えと増やし方や人気の品種の違いまでをまとめました。猫や犬がいる家で置くときの注意にも触れています。
読み終わるころには、いま育てている株にいつ水をあげればいいかがはっきりしているはずです。
この記事で分かること
- サンスベリアが枯れる本当の原因
- 季節ごとの水やりと、冬の断水の目安
- 置き場所と温度、植え替えと増やし方
- 人気の品種の違いと選び方
- 葉が倒れる・しわしわになるときの対処
こんな人におすすめ
- サンスベリアを初めて育てる人
- 水やりの回数がわからず不安な人
- 根元がぶよぶよになった株を助けたい人
- 猫や犬と暮らしていて置き方を迷っている人
サンスベリアとはどんな植物?|乾燥には強く、寒さと水のやりすぎに弱い
サンスベリアは、中部アフリカの熱帯に自生する多肉質の観葉植物です。代表的な品種の学名は、以前の Sansevieria trifasciata から、今は Dracaena trifasciata(ドラセナ属)に変わっています。葉に水をためこめるので水切れにはとても強い一方、寒さと土がいつまでも湿った状態には弱く、枯らす原因のほとんどはこの2つにあります。

和名の「トラノオ(虎の尾)」は、葉に入る横縞の模様が虎のしっぽに見えることから付いた名前です。かつてはリュウゼツラン科のサンセベリア属とされていましたが、いまはキジカクシ科のドラセナ属にまとめられています。お店では、いまも「サンスベリア」「サンセベリア」の名前で並んでいることがほとんど。
夜に気孔を開いて二酸化炭素を取りこむ、変わった性質も持っています。NASAの研究で空気中の有害物質を減らす植物として紹介されたこともありますが、密閉した容器の中での実験です。部屋の空気がはっきりきれいになるほどの効果は、期待しすぎないほうが現実的です。
\ 観葉植物の空気清浄効果の本当のところ /
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| 項目 | 目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 分類 | キジカクシ科ドラセナ属(旧サンセベリア属) | 流通名はサンスベリアのまま |
| 原産 | 中部アフリカの熱帯 | 乾燥に強く、過湿に弱い |
| 寒さ | 下限は5℃、できれば10℃以上 | 冬の窓辺の冷えに注意 |
| 水やり | 春から秋は土が乾いてから。冬は断水気味 | 水のやりすぎが枯れる原因の筆頭 |
| 置き場所 | 明るい室内。レースカーテン越しなど | 暗い場所では葉が倒れやすい |
| 生長 | ゆっくり。春から夏に新しい葉が出る | 冬はほとんど動かない |
| 猫・犬 | 有毒(ASPCA) | かじられない場所に置く |
サンスベリアの水やり|春から秋は乾いてから、冬は断水気味に
サンスベリアの水やりは、5〜9月は土が中まで乾いてから数日おいてたっぷり、冬は水をほとんどあげない「断水気味」が基本です。日数で決めるより、土の乾き具合と気温で決めるほうが失敗しません。
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| 時期 | 水やりの目安 | 注意すること |
|---|---|---|
| 5〜9月 | 土が中まで乾いて、さらに数日おいてから鉢底から流れるまで | 受け皿にたまった水は捨てる |
| 10〜11月 | 間隔を少しずつあける | 気温が下がったら回数を減らす |
| 12〜3月 | 室温が10℃を下回る部屋では断水。暖かい部屋でも月1回軽く程度 | 冬の水のやりすぎが根腐れのいちばんの原因 |
| 4月 | 暖かくなって新しい葉が動き出したら再開 | 急にたっぷりあげず、少しずつ |
私が最初の冬に根腐れさせたのも、夏と同じ感覚で水をあげ続けたからでした。冬に葉が少ししわっとしても、春まで待てば水を吸って元に戻ることがほとんどです。迷ったら、あげないほうを選んでください。
\ 土が乾いたかの見分け方と水やりの基本 /
置き場所と温度|明るい室内に置き、冬は10℃以上を目安に
サンスベリアは、レースカーテン越しの光が入る明るい室内に置くのがいちばん育ちやすい環境です。冬は最低でも5℃、できれば10℃以上を保てる場所に移してください。
日当たりの悪い部屋でも枯れにくい植物ですが、暗い場所に長く置くと葉が細長く伸びて、重さで倒れやすくなります。反対に、ずっと室内にあった株をいきなり真夏の直射日光に当てると、葉が焼けて茶色い跡が残ります。明るさを変えるときは、少しずつ慣らしていきましょう。
冬に気をつけたいのは窓辺の冷え込みです。昼間は暖かくても、夜の窓際はぐっと冷えます。寒い日は、窓から離れた部屋の中ほどに移しておくと安心です。
\ 日当たりの悪い部屋で育てやすい観葉植物 /
土・肥料・植え替え|5月中旬〜8月に、水はけのよい土へ
サンスベリアの植え替えは、2年に1回ほど、暖かい5月中旬〜8月に行います。土は水はけのよいものを選び、肥料は生長期に少しだけ与えれば十分です。
土は水はけを最優先に選ぶ
水をためこみやすい土だと、根が乾く前に次の水やりが来てしまい、根腐れの原因になります。サボテンや多肉植物用に配合された土なら、そのまま使えて水はけも安心です。
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肥料は5〜9月に少なめに
サンスベリアは肥料が少なくても育ちます。生長期の5〜9月に、緩効性の肥料を少量置くか、薄めた液体肥料を月1〜2回あげる程度で足ります。気温が下がる10月以降は止めてください。
植え替えの手順
鉢底の穴から根が出てきた、鉢が割れそうなほど株が詰まってきた、水がしみこみにくくなった。こうしたサインが見えたら植え替えどきです。
- 鉢から株を抜き、古い土を3分の1ほど落とす
- 黒く傷んだ根があれば、清潔なはさみで切り取る
- ひと回り大きな鉢に、水はけのよい土で植えつける
- 植え替え後は数日たってから水をあげる
株が大きくなりすぎたときは、植え替えのついでに株分けもできます。やり方は、次の章を見てください。
サンスベリアの増やし方|株分けと葉挿し
サンスベリアは、株元から出た子株を分ける株分けと、切った葉を土に挿す葉挿しで増やすのが一般的です。どちらも5月中旬〜8月の暖かい時期に行うと、根が出やすくなります。
株分けは植え替えのついでに
株元から新しい芽がいくつも出ていたら、根がついた状態で切り分けて、別の鉢に植えつけましょう。切り口を1日ほど乾かしてから植えると、傷みにくくなります。株分けなら親株と同じ姿の株ができるので、失敗が少ない増やし方です。
葉挿しは上下を間違えない
元気な葉を5〜10cmほどの長さに切り、切り口を数日乾かしてから、根元側を下にして湿らせた土に挿します。上下を逆に挿すと根が出ないので、切るときに印をつけておくと安心です。根が出るまでは1〜2か月ほどかかります。
ひとつ注意したいのは、ローレンティーのように葉の縁が黄色い品種です。葉挿しで増やすと、黄色い縁が消えて緑一色の株になりやすくなります。斑の入った姿のまま増やしたいときは、株分けを選んでください。
\ 株分け・挿し木・水挿しの手順 /
人気の品種と選び方|形と大きさで選ぶ
サンスベリアの品種は、葉が平たく立ち上がるタイプと低く広がるロゼットタイプ、筒のように丸い葉のタイプに分けると選びやすくなります。初めてなら、流通量が多くて丈夫なローレンティーやトリファスキアータから始めるのが安心です。
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| 品種 | 葉の形と大きさ | 向いている置き方 |
|---|---|---|
| トリファスキアータ | 緑の地に横縞が入る平たい葉。大きく育つ | 床置き・リビング |
| ローレンティー | トリファスキアータの葉の縁が黄色い品種。流通量がいちばん多い | 床置き・玄関 |
| ハニー | 低く広がるロゼット型の小型品種 | デスク・棚の上 |
| ゴールデンハニー | ハニーの葉の縁が黄色い品種 | デスク・棚の上 |
| キリンドリカ(シリンドリカ) | 筒のように丸い葉が扇状に広がる | 床置き・棚 |
| ボンセレンシス | 筒状の肉厚な葉を持つ小型の品種 | 棚の上・窓辺 |
| バキュラリス | 細い筒状の葉がまっすぐ立つ | すっきり見せたい場所 |
| ムーンシャイン | 銀白色がかった淡い緑の葉 | 明るい部屋のアクセント |
お店で「スタッキー」として売られている株の多くは、キリンドリカなど別の品種だといわれます。本物のスタッキーは日本ではほとんど出回っていないので、名前よりも葉の形と大きさで選ぶほうが確実です。
置き場所が限られるなら、卓上サイズにまとまるハニーが扱いやすい品種です。私が初めて通販でサンスベリアを買ったときも、AND PLANTSから「ハニー」を迎えました。品種とサイズで部屋の印象がかなり変わるので、実物の写真とサイズが確かめられるお店で選ぶと失敗しにくくなります。
\ 品種とサイズを写真で見比べる /
\ 初心者でも育てやすい観葉植物ランキング /
葉が倒れる・しわしわ・黄色くなるときの対処
サンスベリアのトラブルで代表的なのは、根元がぶよぶよになる根腐れと、葉が倒れる・しわしわになるといった症状です。原因の多くは水のやりすぎと寒さなので、まず土の湿り具合と置き場所の温度を確かめてください。
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| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 根元がぶよぶよ・黄色くなる | 水のやりすぎ・冬の寒さによる根腐れ | 水を止める。傷んだ部分を切って乾かし、新しい土に植え替える |
| 葉が倒れる | 光不足・根腐れ・根詰まり | 明るい場所へ。根元が柔らかければ根腐れを疑う |
| 葉がしわしわ・薄くなる | 水切れ、または根が傷んで水を吸えない | 生長期なら水をあげる。冬なら春まで待つ |
| 葉先が茶色く枯れる | 冬の冷え・葉焼け・乾燥 | 窓辺から離す。枯れた先だけ切りそろえる |
| 白い綿や茶色い粒がつく | カイガラムシ | 歯ブラシなどでこすり落とす |
根腐れで根元がやわらかくなった株も、上のほうの葉が元気なら、健康な部分を切って葉挿しにすると命をつなげます。根腐れの見分け方と立て直し方は、観葉植物の根腐れ対策にまとめました。
かかりやすい病気と害虫
サンスベリアは病気や害虫の少ない植物ですが、まったく出ないわけではありません。害虫で多いのは、葉のつけ根や裏に白い綿や茶色い粒のようにつくカイガラムシと、新しい葉に群がるアブラムシです。どちらも一年を通して出るので、水やりのついでに葉のつけ根をのぞき、見つけたら早めに歯ブラシや濡らした布で取り除いてください。
病気では、葉の上から水をかけて株元が蒸れたときに出る立枯病に気をつけます。水は葉にかけずに土へ注ぎ、風通しのよい場所に置くと防ぎやすくなります。なお、冬に葉が倒れるように傷むのは病気ではなく寒さによるものなので、置き場所の温度を見直してください。病気と害虫の内容は、NHK出版「みんなの趣味の園芸」の植物図鑑の記載と照らして確かめています。
サンスベリアを猫や犬がいる家で置くときの注意
サンスベリアは、ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)の有毒植物の一覧で猫と犬に有毒とされています。葉にサポニンが含まれていて、かじると吐き気や嘔吐、下痢が出ることがあります。
ペットと暮らす家では、手の届かない高さに置くか、ペットの入らない部屋で育ててください。ペットのいる家で選びやすい植物は、別の記事にまとめています。
\ 猫や犬に安全な観葉植物の選び方 /
サンスベリアの育て方でよくある質問
5〜9月は土が中まで乾いて、さらに数日おいてからたっぷりが目安です。冬は室温が10℃を下回る部屋なら断水し、暖かい部屋でも月1回軽くあげる程度にとどめてください。
サンスベリアは葉に水をためこめるので、冬のあいだ水をあげなくても、たいていは枯れません。葉が少ししわっとしても、春に水やりを再開すれば元に戻ることがほとんどです。
光が足りずに葉が細長く伸びたか、根腐れや根詰まりで根が弱っていることが多いです。明るい場所に移し、根元がやわらかくなっていないかを確かめてください。
ローレンティーのように葉の縁が黄色い品種は、葉挿しで増やすと緑一色になりやすい性質があります。黄色い縁のある姿で増やしたいときは、株分けで増やしてください。
株が充実していると、白っぽい小さな花が咲くことがあります。夜に甘い香りを出すのが特徴です。めったに咲かないので、咲いたら株が元気な証拠と考えてよいでしょう。
NASAの研究で紹介されたのは、密閉した容器の中での実験です。ふつうの部屋で空気がはっきりきれいになるほどの効果は、期待しすぎないほうが現実的です。
まとめ|サンスベリアは「水をあげすぎない」がいちばんのコツ
サンスベリアを長く元気に育てるコツは、水をあげすぎないことと、冬の寒さから守ることの2つに尽きます。春から秋は土が乾いてから、冬は断水気味にするだけで、枯らす心配はぐっと減ります。
- 水やりは土が中まで乾いてから。冬は断水気味にする
- 置き場所は明るい室内。冬は10℃以上を目安に窓辺から離す
- 植え替えは2年に1回ほど、5月中旬〜8月に水はけのよい土で
- 黄色い縁のある品種は、葉挿しではなく株分けで増やす
- 猫や犬には有毒なので、手の届かない場所に置く
私自身、最初の冬に一度は根腐れさせてしまいました。水やりを控えるようになってからは、忙しい時期も変わらず新しい葉を伸ばしてくれています。手をかけすぎないくらいが、サンスベリアにはちょうどいいのかもしれません。
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