
植え替えの準備をしていて、ふと手が止まることがあります。鉢底石って、本当に入れる必要があるのだろうか。「入れないと根腐れする」という声もあれば、「今はいらない」という声もあって、どちらを信じればいいのか迷いますよね。
私自身、観葉植物を育て始めたころは、どの鉢にも必ず鉢底石を入れていました。袋に書いてあったからです。ところがスリット鉢を使うようになってから、鉢底石を入れないほうが根の張りがいいことに気づきました。入れるかどうかは、植物ではなく鉢と土で決まる。そう考えるようになったのはそれからです。
この記事では、鉢底石が必要なケースといらないケースを、鉢の種類と土の性質から整理しました。入れる場合の量の目安と手順、鉢底石の代わりになる物、洗って使い回す方法もまとめています。
読み終わるころには、手元の鉢に鉢底石を入れるべきかどうか、迷わず決められるはずです。
この記事で分かること
- 鉢底石が必要なケースといらないケースの早見表
- 鉢底石が担っている4つの役割
- スリット鉢や小さな鉢に鉢底石がいらない理由
- 入れるときの量の目安と、失敗しない入れ方
- 鉢底石の代わりになる物と、洗って使い回す方法
こんな人におすすめ
- 植え替えのたびに鉢底石を入れるか迷っている方
- スリット鉢や小さな鉢を使っている方
- 大きな鉢が重くて動かせず困っている方
- 根腐れを防ぐ鉢の準備を知りたい方
鉢底石は必要?|結論は鉢と土の組み合わせで決まる
観葉植物に鉢底石が必要かどうかは、鉢の形と土の水はけで決まります。スリット鉢や小さな鉢、水はけのよい土なら入れなくて大丈夫です。大きな鉢や深い鉢、底の穴がひとつで大きい鉢には入れておくと安心です。
よく使う鉢と土の組み合わせを、表にまとめました。迷ったら、まずここで手元の鉢を探してみてください。
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| 鉢と土 | 鉢底石 | 理由 |
|---|---|---|
| スリット鉢 | いらない | 側面の切れ込みから水と空気が抜ける。石が根の伸びをじゃまする |
| 4号以下の小さな鉢 | いらない | 石のぶん土が減る。底にネットを敷くだけで十分 |
| 素焼き鉢(テラコッタ) | なくてもよい | 鉢そのものが水と空気を通す |
| 多肉植物用など水はけのよい土 | なくてもよい | 土に軽石などが多く入っていて、水がたまりにくい |
| プラ鉢や陶器鉢で、底穴がひとつ | 入れると安心 | 穴が土でふさがりにくくなる |
| 8号以上の大きな鉢・深い鉢 | 入れると安心 | 底の土が湿ったままになりにくく、鉢も軽くなる |
| 底穴のない鉢 | 代わりにならない | 石を入れても水は抜けない。鉢カバーとして使う |
表の最後の行だけは、特に気をつけてください。底に穴のない鉢に鉢底石を敷いても、たまった水の逃げ場にはなりません。水は石のすき間にたまり続け、根が傷む原因になります。
鉢底石の役割|水はけ・通気・土の流出防止・軽さの4つ
鉢底石の役割は「水はけを助ける」「底に空気を通す」「土の流出を防ぐ」「鉢を軽くする」の4つです。どれも、鉢や土の側で足りていれば、鉢底石で補う必要はありません。
4つの役割を分けて考える
1つ目は水はけ。鉢の底に粒の大きな石の層があると、水やりのあと余分な水が穴へ抜けやすくなります。2つ目は通気で、底の土が空気に触れやすくなり、根が息苦しくなりにくい状態を保てます。
3つ目は土の流出を防ぐこと。細かい土が底穴をふさいだり、水やりのたびに流れ出したりするのを、石の層が受け止めます。4つ目は軽さです。大きな鉢の底を軽い石に置き換えると、土だけで満たすより持ち上げやすくなります。
こうして分けてみると、スリット鉢は1つ目と2つ目を鉢の形で肩代わりできると分かります。鉢底ネットなら、3つ目は網の仕事。鉢底石がいらないケースがあるのは、このためです。
「鉢底石を入れても水はけは変わらない」という説について
海外の園芸の世界では、「鉢の底に石の層を作っても水はけは良くならず、土の中で水がたまる層が上に押し上げられるだけ」という説が長く語られてきました。一方で、実際に鉢で水の量を測って排水の層にはやはり効果があったとする検証も出ていて、今も意見は分かれています。
確かなのは、根腐れの原因の多くは鉢底石の有無より、水やりの頻度と土の水はけにあるということです。土の表面が乾いてから水をやり、水はけのよい土を使う。この2つが守れていれば、鉢底石はあくまで補助の役と考えて構いません。
\ 根腐れの原因と防ぎ方を詳しく /
鉢底石がいらないケース|スリット鉢・小さな鉢・水はけのよい土
鉢底石を入れなくていいのは、鉢や土がすでに水はけと通気を受け持っているときです。代表的なのはスリット鉢・4号以下の小さな鉢・多肉植物用のような水はけのよい土の3つ。
スリット鉢には入れない
スリット鉢は、鉢の側面から底にかけて縦長の切れ込みが入った鉢です。切れ込みから水と空気がよく抜けるので、鉢底石がなくても底に水がたまりにくい作りになっています。
むしろ、入れないほうがいい理由もあるくらいです。根は空気を求めて切れ込みのほうへ伸びていきます。そこに石が詰まっていると、せっかくの切れ込みまで根が届きません。私もスリット鉢に植えるときは鉢底石を入れず、土だけで植えています。
植えた直後は切れ込みから細かい土が少しこぼれますが、根が張ってくると自然におさまります。気になる方は、最初の数回だけ受け皿を敷いておくと掃除が楽です。
私が小さな株に使っているのは、麦わらを再生した素材でできた4.5号のスリット鉢です。軽くて扱いやすく、この大きさでも根がよく張ります。
― 鉢底石いらずのスリット鉢 ―
4号以下の小さな鉢は、ネットだけで十分
直径12cmほどまでの小さな鉢では、鉢底石を入れると根が使える土の量が目に見えて減ります。小さな鉢ほど土の量が水もちを左右するので、石で場所を取るより、そのぶん土を入れたほうが植物は育つのです。
底穴から土がこぼれるのが気になる場合は、鉢底ネットを1枚敷くだけで防げます。100円ショップでも売っているので、鉢底石より手軽です。
シート状の鉢底ネットなら、はさみで鉢の穴に合わせて切って使えます。何鉢も植え替えるときにも便利です。
― 穴の大きさに切って使える鉢底ネット ―
水はけのよい土なら、鉢底石は省ける
多肉植物やサボテン用の土や、赤玉土・軽石を多めに混ぜた土は、粒が粗くて水がたまりにくい性質を持っています。土の中にすでに鉢底石と同じ役割の粒が入っているので、底に改めて石の層を作る必要はありません。
逆に、細かくて水もちのよい土を使うなら、鉢底石で底の水はけを補ってあげるほうが安心です。土の選び方は、次の記事で詳しくまとめています。
― 水はけのよい土の選び方 ―
鉢底石を入れたほうがいいケース|大きな鉢・深い鉢・底穴がひとつの鉢
鉢底石が役に立つのは、鉢の底に水がたまりやすい条件がそろっているときです。大きな鉢や深い鉢、底穴がひとつしかない鉢がこれにあたります。
8号以上の大きな鉢は、底の水はけと重さのために
大きな鉢は土の量が多く、底のほうの土が乾くまでに時間がかかります。表面は乾いていても、底では土が湿ったまま、ということが起きやすいのです。鉢底石の層があると、底にたまりがちな水が抜けやすくなります。
もう一つの理由が重さです。土は水を含むとずっしり重くなります。底の数センチを軽石などの軽い鉢底石に置き換えるだけで、掃除や季節ごとの置き場所の移動がずいぶん楽になるはずです。
底穴がひとつで大きい鉢は、穴をふさがないために
プラスチック鉢や陶器鉢には、底の真ん中に大きな穴がひとつだけ開いているものがあります。この形は、細かい土が穴に集まってふさぎやすいのが弱点です。
鉢底ネットを敷いた上に鉢底石を置くと、土が穴に直接触れにくくなり、水の通り道が保たれます。鉢選びのポイントは、次の記事にまとめました。
\ 鉢の素材とサイズの選び方 /
鉢底石の入れ方|量の目安は鉢の高さの5分の1から4分の1
鉢底石を入れるときの量は、鉢の高さの5分の1から4分の1ほどが目安です。入れすぎると土が減って根の居場所が狭くなるので、底が見えなくなる程度から始めてください。
手順は「ネット・石・土」の順番
植え替えのときは、次の順番で入れていくと失敗がありません。
- 鉢底ネットを敷く
底穴より一回り大きく切ったネットを、穴をふさぐように置いてください。 - 鉢底石を入れる
鉢の高さの5分の1から4分の1を目安に、底が隠れるまで入れます。 - 土を少し入れてから植物を置く
石の上に土を数センチ入れ、根鉢(ねばち)の高さを確かめてから植物を置くのがコツです。 - すき間に土を足して水をやる
鉢の縁から2〜3cm下まで土を入れ、鉢底から流れ出るまでたっぷり水を与えます。
植え替え全体の流れは、観葉植物の植え替えの手順で写真とあわせて説明しました。
ネット入りの鉢底石なら、植え替えが楽になる
最初から網の袋に入った鉢底石も売られています。袋ごと鉢の底に置くだけなので、入れるのも取り出すのも簡単です。次の植え替えのときに土と混ざらず、袋ごと取り出して洗えば、そのまま使い回せます。
私が使っているのも、この袋入りのタイプです。0.5Lずつ小分けになっているので、鉢の大きさに合わせて袋の数で量を調整できます。
― 袋ごと出し入れできる鉢底石 ―
ばらの鉢底石なら、底に敷いたネットの上に直接入れるだけです。植え替えのときに土と混ざってしまうので、ふるいで分けるひと手間がかかります。
鉢底石の代わりになる物|軽石・発泡スチロール・ネットだけ
鉢底石が手元になくても、代わりになる物はいくつかあります。役割のうち何を補いたいかで、選ぶ物を決めましょう。
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| 代わりの物 | 向いている使い方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 大粒の軽石 | 鉢底石とほぼ同じ役割。軽くて水はけがよい | 粒の細かいものは土に混ざってしまう |
| ゼオライト | 根腐れ防止剤としても売られている。においを抑える | 重めなので大きな鉢の軽量化には向かない |
| 砕いた発泡スチロール | とにかく軽い。大きな鉢の底上げに | 軽すぎて水やりで浮きやすい。ネットの袋に入れると安定する |
| 鉢底ネットだけ | 小さな鉢で、土の流出だけ防ぎたいとき | 水はけを補う力はない |
庭の砂利や小石で代用する方法もよく紹介されますが、室内の観葉植物にはあまりおすすめしません。重いうえに、外の土や虫の卵が付いていることがあるからです。使うなら、よく洗って乾かしてからにしてください。
鉢底石は洗って再利用できる|使い回すときの手順
鉢底石は、洗えば何度でも使い回せます。植え替えのときに取り出した石は、捨てずに汚れを落として乾かしておきましょう。
手順は簡単です。土や根のかけらをふるいで落とし、水を張ったバケツでもみ洗いします。濁りが出なくなるまで水を替えたら、日なたに広げてしっかり乾かします。根腐れした株の鉢に入っていた石は、熱湯をかけてから乾かすと安心です。
ネット入りの鉢底石なら、袋ごと水で洗えるのでさらに手間がかかりません。粒が割れて粉っぽくなってきたら、ふるいで細かい粉を落とすか、新しいものに替えどきです。
鉢底石でよくある質問
まとめ|鉢底石は鉢と土を見てから決める
鉢底石は、どの鉢にも必ず入れる物ではありません。鉢と土が水はけと通気を受け持っていれば省けますし、足りないところを補うために入れる物だと考えると、迷わず判断できます。
- スリット鉢と4号以下の小さな鉢には入れない。小さな鉢はネットだけで十分
- 8号以上の大きな鉢や、底穴がひとつの鉢には入れると安心
- 量は鉢の高さの5分の1から4分の1。入れすぎると土が減る
- 底穴のない鉢は、鉢底石を入れても水が抜けない。鉢カバーとして使う
- 鉢底石は洗って乾かせば何度でも使える
私自身、鉢底石を入れるかどうかで迷っていたころは、植え替えのたびに何となく袋を開けていました。鉢と土を見て決めるようになってからは、準備にかかる時間も、使う石の量もぐっと減りました。
次の植え替えでは、まず手元の鉢の底と、使う土の袋を確かめてみてください。それだけで、鉢底石が要るかどうかの答えは出るはずです。
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