
観葉植物が伸びすぎて形が崩れてきたけれど、どこを切ればいいのかわからない。切りすぎて枯らしたらどうしよう。剪定(せんてい)は、育てているとだれもが一度は迷う作業です。
私自身、都市部のマンションでたくさんの観葉植物を育ててきました。切り戻してよかったと感じた株のひとつが、棚の上で徒長(とちょう)させてしまったシンゴニウムです。半分ほどの長さに切り戻したら、ひと月ほどで切り口の下から新しい芽が顔を出し、二か月後にはこんもりした姿に戻ってくれました。
この記事では剪定の時期と切る場所の基本から、切り戻し・間引き・摘心の使い分けや品種ごとの切り方、切ったあとの手入れまで順番にまとめました。秋や冬に切ってよいかどうかの判断や、切りすぎてしまったときの対処も紹介しています。
読み終わるころには、目の前の鉢のどこにはさみを入れればいいかが決まっているはずです。
この記事で分かること
- 観葉植物の剪定に向いている時期と、秋冬に切るときの注意
- どこを切ればいいか(節と生長点の見つけ方)
- 切り戻し・間引き・摘心の使い分け
- 品種ごとの切っていい場所と、切ったあとの様子
- 剪定後の手入れと、切りすぎたときの対処
こんな人におすすめ
- 観葉植物が伸びすぎて形が崩れてきた人
- どこを切ればいいかわからず、はさみを入れられない人
- 今の季節に切っていいか迷っている人
- 切った枝で株を増やしてみたい人
観葉植物の剪定は「生長期に、節の少し上で切る」が基本
観葉植物の剪定は、よく伸びる5〜7月に、葉や枝のつけ根にある節の少し上で切るのが基本です。節の近くには新しい芽のもとになる生長点があり、そのすぐ上で切ると、残った節から芽が伸びて形が整っていきます。
剪定の目的は、形を整えることと、混みあった枝を減らして風通しをよくすることの2つです。葉が重なって空気が動かない場所は、カイガラムシがつきやすくなります。基本を先に表にまとめておきます。
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| 項目 | 基本 | よくある失敗 |
|---|---|---|
| 時期 | 5〜7月がいちばん向く。9月ごろまでは軽めなら可 | 冬に大きく切って、春まで芽が出ずに弱らせる |
| 切る場所 | 残したい節の5mm〜1cmほど上 | 節と節のあいだで切り、枝が枯れこむ |
| 切る量 | 一度に切るのは全体の3分の1くらいまで | 葉をほとんど落として、株が回復できなくなる |
| 道具 | よく切れるはさみを、使う前にアルコールで拭く | 切れないはさみで茎をつぶし、切り口が傷む |
| 切ったあと | 明るい日陰で休ませ、肥料は新芽が動いてから | 元気を出させようと、すぐに肥料を足す |
観葉植物の剪定時期|秋や冬に切ってもいい?
観葉植物の剪定にいちばん向いているのは、気温が上がってよく伸びる5〜7月です。10月に入ったら枯れた葉や傷んだ枝、じゃまな1〜2本を切る程度にとどめ、大きく切るのは春まで待つほうが安心です。
観葉植物の多くは暖かい国の生まれで、気温が下がると伸びるのをほとんど止めます。秋から冬に大きく切ると、新しい芽が出ないまま切り口だけが残り、株が弱ってしまうことがあります。
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| 時期 | してよい剪定 | ひとこと |
|---|---|---|
| 4月 | 軽い切り戻し | 新芽が動きはじめたら準備を始める |
| 5〜7月 | 大きな切り戻し・間引き・摘心 | 回復が早く、切った枝で挿し木もしやすい |
| 8〜9月 | 伸びすぎた枝を軽く整える | 真夏の暑さで弱っている株は切らずに待つ |
| 10〜3月 | 枯れ葉・傷んだ枝・じゃまな1〜2本だけ | 大きな剪定は春まで待つ。冬の管理を優先する |
冬のあいだの置き場所や水やりは、冬越しの記事にまとめています。秋に大きくなりすぎた株は、まず冬を無事に越させて、春に形を整えるのが確実です。
\ 室内で枯らさない冬の置き場所と水やり /
観葉植物はどこを切る?|節と生長点の見つけ方
切る場所は、残したい節のすぐ上です。節は、葉や枝が茎から出ているつけ根のふくらんだ部分で、ここに新しい芽のもとになる生長点があります。節の5mm〜1cmほど上で切ると、その節から新しい芽が伸びてくる仕組みです。
節の見つけ方
茎をよく見ると、少しふくらんだ段や、葉が落ちた跡の輪のような筋があります。そこが節です。ポトスやモンステラのようなつる性の植物では、節から根のようなもの(気根)が出ていることも多く、見つけやすいはずです。
どちらに枝を伸ばしたいかで選ぶ
新しい芽は、切った位置のすぐ下の節から、葉がついていた向きに伸びます。外側に向いた芽の上で切れば枝は外へ広がり、内側を向いた芽の上で切れば枝は内へ伸びます。部屋の壁側ではなく、見せたい側に枝を出したいときは、この向きを意識して切る位置を決めてください。
節と節のあいだで切らない
節と節のあいだで切ると、切り口から次の節まで茎が枯れこんでしまうことがあります。見た目も悪くなりやすいので、切るときは必ず節を目印にしてください。
剪定のやり方は3種類|切り戻し・間引き・摘心の使い分け
観葉植物の剪定には、伸びた枝を短くする切り戻しと混みあった枝をつけ根から抜く間引き、芽の先をつんで枝数を増やす摘心(てきしん)の3つがあります。形を小さくしたいのか、すっきりさせたいのか、こんもりさせたいのかで使い分けます。
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| やり方 | こんなときに | 切る場所 | 向いている品種 |
|---|---|---|---|
| 切り戻し | 伸びすぎて形が崩れた・大きくなりすぎた | 残したい高さにある節の上 | パキラ・ゴムの木・ポトスなど |
| 間引き | 葉や枝が混みあって蒸れやすい | 内側に向かう枝や重なった枝のつけ根 | ガジュマル・ベンジャミン・エバーフレッシュなど |
| 摘心 | ひょろっと1本だけ伸びる・こんもりさせたい | 伸びている先端の芽を指先やはさみでつむ | ポトス・シンゴニウム・アイビーなど |
迷ったら、まずは切り戻しから始めるのがわかりやすいです。伸びすぎた枝を節の上で短くするだけなので、失敗しても次の節から芽が出てやり直せます。混みあいが気になってきたら間引きを、枝数を増やしてボリュームを出したいときに摘心を足していけば十分です。
品種別の剪定のしかた|切っていい場所と、切ったあとの様子
観葉植物は、品種によって切っていい場所と、切ったあとの芽の出方が違います。つる性の品種は節ならどこで切っても芽が出やすく、木のように育つ品種も幹を切れば脇から芽が出るのがふつうです。一方で、サンスベリアのように切った葉からは芽が出ない品種もあります。
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| 品種 | 切る場所 | 切ったあと・注意 |
|---|---|---|
| ポトス・シンゴニウム・フィロデンドロン | 伸びたつるの、残したい節の上 | 節から芽が出やすい。切ったつるは水挿しで増やせる |
| アイビー | 長く伸びたつるを節の上で | 寒さに強く回復も早い。混みあうとハダニが出やすい |
| パキラ | 伸びた枝や幹を、残したい高さの節の上 | 切った下の節から新しい枝が出る |
| ゴムの木・ガジュマル・ベンジャミン | 伸びた枝の節の上、混んだ枝のつけ根 | 切り口から白い樹液が出る。肌につくとかぶれることがあるので手袋を |
| ユッカ・ドラセナ | 残したい高さで幹を切る | 切り口の下から新しい芽が出る。太い幹の切り口には癒合剤を塗る |
| モンステラ | 広がりすぎた葉の茎をつけ根で、伸びた茎は節の上で | 節と気根のついた茎は、水に挿すと根が出る |
| サンスベリア | 傷んだ葉や伸びすぎた葉を根元から | 切った葉からは新しい葉は出ない。新しい葉は株元から出る |
| コーヒーの木 | 伸びすぎた枝を節の上で | 春に切ると、夏までに新しい枝が伸びやすい |
木のように育つ品種は、思いきって切っても芽が出る
ゴムの木の仲間やユッカのように木のように育つ品種は、背丈を超えるほど伸びても、生長期に切れば脇から新しい芽が出てきます。私もカシワバゴムの木が背丈を超えてしまったとき、思いきって切り戻しました。半年後には三方向に枝が出て、見違える姿になりました。コーヒーの木も、3年目の春に40cm近く伸びすぎた枝を半分まで切り戻しています。
反対に、ユッカでは最初の剪定で「もったいない」と長めに残してしまい、かえって形が変になったことがあります。切る高さは、今の姿ではなく「新しい芽が伸びたあとの姿」を想像して決めるのがコツです。
\ 背丈を超えたゴムの木を切り戻した話 /
つる性の品種は、伸びたら気軽に切っていい
ポトスやシンゴニウム、アイビーのようなつる性の品種は節ならどこで切っても芽が出やすく、剪定の練習にも向いています。私はアイビーを、2年に1回、5月の連休に大きく切り戻すのを恒例にしています。
ガジュマルのように生長の早い品種も、茂りすぎてきたと感じたら思いきってばっさり切って大丈夫です。生長期なら、数週間で新しい葉が出てきます。
\ 徒長したシンゴニウムを切り戻して戻した話 /
剪定に使う道具と下準備|はさみの消毒と樹液対策
観葉植物の剪定に必要なのは、よく切れる園芸用のはさみと、使う前に拭くためのアルコールです。ゴムの木の仲間を切るなら手袋、太い幹を切るなら切り口に塗る癒合剤(ゆごうざい)も用意しておくと安心です。
はさみは切れ味のいいものを
切れ味の悪いはさみを使うと、茎が押しつぶされて切り口が傷みやすくなります。細いつるや葉を切るだけなら文房具のはさみでも切れますが、枝や幹を切るなら園芸用の剪定ばさみのほうが楽です。握ったときに手に合う大きさで、軽いものを選ぶと扱いやすくなります。
室内の観葉植物は、細い茎やつるを切ることがほとんどです。最初の1本なら、刃先が細くて小回りのきく園芸ばさみで十分に足ります。生木なら6mmくらいまで切れるので、ポトスやシンゴニウムのつるから細い枝まで対応できます。太い幹を切るなら、刃の大きな剪定ばさみを別に用意してください。
― 細い茎やつるを切りやすい園芸ばさみ ―
使う前にアルコールで拭く
はさみの刃に汚れや別の株の樹液が残っていると、切り口から病気が広がることがあります。使う前と使ったあとに、消毒用のアルコールを含ませた布で刃を拭いておきましょう。
ゴムの木の仲間は白い樹液に注意
フィカスの仲間(ゴムの木・ガジュマル・ベンジャミン・ウンベラータなど)は、切ると白い樹液が出ます。肌につくとかぶれることがあり、ラテックスアレルギーのある人は特に注意が必要です。手袋をして、床や家具に垂れないよう新聞紙を敷いてから切ってください。樹液は、切り口を水で軽く流すか、濡らした布で押さえると止まりやすくなります。
剪定したあとの手入れ|水やり・置き場所・肥料
剪定したあとは明るい日陰で1〜2週間ほど休ませ、水やりは土が乾いてから、肥料は新しい芽が動きはじめてから与えるのが基本です。葉が減った株は水を吸う量も減るので、剪定前と同じペースで水をやると、土が乾きにくくなって根を傷めることがあります。
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| 手入れ | 剪定後の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 置き場所 | 直射日光の当たらない明るい場所で1〜2週間 | 葉が減った株に強い日差しは負担が大きい |
| 水やり | 土の表面が乾いてから。剪定前より間隔があく | 葉が減ると水を吸う量も減る |
| 肥料 | 新しい芽が動きはじめてから、薄めたものを | 芽が出る前に与えても吸いきれず、根を傷める |
| 切り口 | 太い幹や枝は癒合剤を塗る。細い茎はそのままでよい | 大きな切り口から雑菌が入るのを防ぐ |
肥料の種類や与える時期は、肥料の記事にくわしくまとめました。
\ 肥料を与える時期と、冬に止める理由 /
切った枝は挿し木で増やせる|剪定のついでにできること
剪定で切った枝やつるは、捨てずに挿し木や水挿しにすると、新しい株として育てられます。特にポトスやシンゴニウムのようなつる性の品種は、節のついたつるをコップの水に挿しておくだけで根が出てきます。
私が最初に挿し木に成功したのもポトスでした。カシワバゴムの木を剪定したときも、ついでに挿し木にした枝が無事に根づき、思わず声が出るほどうれしかったのを覚えています。切った枝がもう1鉢に変わるのは、剪定のいちばんの楽しみかもしれません。
\ 挿し木・水挿し・株分けの手順 /
観葉植物を切りすぎたときの対処|新しい芽が出るまで待つ
切りすぎてしまっても、幹や茎が固く張りがあれば、根は生きていることがほとんどです。明るい日陰に置いて水を控えめにし、新しい芽が出るのを待ってください。生長期なら、数週間から1か月ほどで節から芽が動きはじめます。
秋や冬に切りすぎた場合は、春まで芽が出ないこともあります。暖かい部屋で水をかなり控えめにして冬を越させ、春に新しい芽が出てきたら、そこから少しずつ肥料を再開すれば大丈夫です。
幹を指で押してぶよぶよとやわらかい場合や、切り口から黒い変色が広がっている場合は、根腐れや病気が進んでいるかもしれません。その場合は、元気な部分を切り取って挿し木で新しい株を作るのが確実です。
観葉植物の剪定でよくある質問
まとめ|観葉植物の剪定は「春から夏に、節の上で、3分の1まで」
観葉植物の剪定は、よく伸びる5〜7月に残したい節の少し上で、全体の3分の1くらいまでを目安に切るのが基本です。秋冬は枯れ葉や傷んだ部分だけにして、大きく形を整えるのは春まで待つと失敗しにくくなります。
- 大きく切るのは5〜7月。10月から3月は枯れ葉や傷んだ枝だけにする
- 残したい節の5mm〜1cmほど上で切り、節と節のあいだでは切らない
- 一度に切るのは全体の3分の1くらいまでにする
- はさみはアルコールで拭き、ゴムの木の仲間は手袋をして切る
- 切ったあとは明るい日陰で休ませ、肥料は新しい芽が出てから
私自身、シンゴニウムやカシワバゴムの木を切り戻して、切り口の下から新しい芽が出てくるのを見てきました。伸びすぎた株も、節の上で切れば、また形を作り直せます。
まずは、いちばん伸びすぎている枝を1本、節の上で切るところから始めてみてください。
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