
ぷっくりした葉がかわいい多肉植物。水やりが少なくて済むと聞いて買ってみたのに、気づいたら葉がしわしわになったり、ひょろひょろ伸びたり。根元から溶けるように枯れてしまった人も多いと思います。
私自身、多肉植物は何度も枯らしてきました。「水やりがいらない」という言葉をそのまま受け取って放っておいたり、反対に心配で水をあげすぎたりと、失敗の理由はいつも水と日当たりでした。
この記事では、多肉植物の性質と、初心者でも育てやすい種類から入ります。そのうえで水やり・日当たり・土の基本と季節ごとの管理、増やし方、よくある失敗の見分け方までまとめました。
多肉植物は、水やりのメリハリと日当たりさえつかめば、長く楽しめる植物です。
この記事で分かること
- 多肉植物の性質と、育つ季節による3つのタイプ
- 初心者でも育てやすい多肉植物7種類
- 水やり・日当たり・土の基本
- 季節ごとの管理と増やし方
- 徒長・しわしわ・根腐れなど、よくある失敗の見分け方
こんな人におすすめ
- はじめて多肉植物を育てる人
- 多肉植物を枯らしてしまったことがある人
- 水やりのタイミングがわからない人
- 葉挿しで増やしてみたい人
多肉植物とは|葉や茎に水をためて、乾燥に耐える植物
多肉植物は、葉や茎、根に水をためておける植物の総称です。雨の少ない乾燥した土地で育ってきたので、しばらく水がなくても枯れません。そのぶん土がずっと湿っていると根が傷みやすく、日光が足りないと形がくずれます。
多肉植物は、よく育つ季節によって3つのタイプに分けられます。自分の株がどのタイプかを知っておけば、水やりや肥料の時期を間違えずに済むはずです。
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| タイプ | 主な仲間 | よく育つ時期 | 水を控える時期 |
|---|---|---|---|
| 春秋型 | エケベリア・セダム・ハオルチア・クラッスラ | 春と秋 | 真夏と真冬 |
| 夏型 | アロエ・カランコエ・アガベ・多くのサボテン | 春から秋 | 冬 |
| 冬型 | リトープス・コノフィツム・アエオニウム | 秋から春 | 夏 |
はじめての一鉢なら、いちばん種類が多く育て方の情報も多い春秋型から選ぶと安心です。
初心者におすすめの多肉植物7種類|丈夫で手に入りやすい仲間
初心者におすすめの多肉植物は、エケベリア・セダム・クラッスラ・ハオルチア・ガステリア・アロエ・カランコエの7種類。どれも園芸店や100円ショップで見つけやすく、置き場所と水やりの基本を守れば育てやすい仲間です。
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| 種類 | タイプ | 日当たり | ひとこと |
|---|---|---|---|
| エケベリア | 春秋型 | よく日の当たる窓辺 | バラの花のような形。過湿に弱い |
| セダム | 春秋型 | よく日の当たる窓辺 | 丈夫で増やしやすい。寄せ植えの名脇役 |
| クラッスラ | 春秋型 | 日の当たる窓辺 | 金のなる木の仲間。挿し木で増やしやすい |
| ハオルチア | 春秋型 | 明るい日陰 | 強い日差しが苦手。室内向き |
| ガステリア | 夏型に近い | 明るい日陰 | 舌のような厚い葉。ゆっくり育つ |
| アロエ | 夏型 | 日の当たる窓辺 | 丈夫で大きめに育つ。犬や猫には有毒 |
| カランコエ | 夏型 | 日の当たる窓辺 | 寒さに弱いので冬は室内の暖かい場所へ。犬や猫には有毒 |
エケベリア|バラのような形を楽しむ
葉がバラの花のように重なる、多肉植物の代表的な仲間です。緑のほかにピンクや紫、青みがかった色の品種もあり、日によく当てるほど色がきれいに出ます。紫がかった「パール・フォン・ニュルンベルク」は、手に入りやすい人気の品種です。過湿に弱いので、水は土がしっかり乾いてから与えてください。
セダム|丈夫で、寄せ植えにも使いやすい
小さな葉がたくさんつく丈夫な仲間で、はじめての一鉢にも向いています。赤く色づく「オーロラ」や、ぷっくりした葉の「乙女心」が人気です。よく伸びて増えやすいので、寄せ植えのすき間を埋める役にも使えます。
クラッスラ|金のなる木の仲間
丸く厚い葉が幹につく「金のなる木」や、筒のような葉の「ゴーラム」などがクラッスラの仲間です。切った枝を挿すと根が出やすく、増やす楽しみもあります。
ハオルチア|明るい日陰で育つ室内向き
葉の先が透けて窓のように見える「オブツーサ」などの軟らかい葉の仲間と、白い縞模様が入った「十二の巻」などの硬い葉の仲間があります。硬い葉の仲間は、今は別の属(ハオルチオプシス)に分けられることもあるので、名札の表記が違っても驚かないでください。どちらも強い日差しが苦手なので、レースカーテン越しの明るい場所が向いています。
ガステリア|厚い葉でゆっくり育つ
舌のような形の厚い葉が特徴で、ハオルチアと同じく明るい日陰でも育ちます。成長がゆっくりなので、長く同じ鉢で楽しめるのも魅力です。
アロエ|丈夫で育てやすい
すっと伸びる葉をもつ丈夫な仲間で、日の当たる窓辺でよく育つのが特徴です。ただし、アロエはASPCAで犬や猫に有毒とされています。ペットのいる家では、届かない場所に置いてください。
カランコエ|寒さにだけ気をつける
ふわふわした毛の生えた「月兎耳(つきとじ)」など、見た目の種類が豊富な仲間です。夏型で寒さに弱いので、冬は暖かい室内に置いてください。カランコエもASPCAで犬や猫に有毒とされています。
多肉植物の育て方の基本|日当たり・水やり・土
多肉植物の育て方の基本は、よく日の当たる場所に置く・土がしっかり乾いてから水をやる・水はけのよい土で育てるの3つです。とくに水やりは、乾かす期間とたっぷり与える日のメリハリが大切です。
日当たり|多くは日光が大好き
多くの多肉植物は日光を好み、日が足りないと茎がひょろひょろ伸びる「徒長(とちょう)」を起こします。室内なら南向きや東向きの窓辺など、明るく日が入る場所に置いてください。真夏の強い日差しは葉焼けの原因になるので、レースカーテン越しにします。ハオルチアとガステリアは強い日差しが苦手なので、明るい日陰に置いてください。
水やり|乾いてからたっぷり、乾くまで待つ
水は、鉢の中の土まですっかり乾いてから、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。受け皿にたまった水は捨ててください。春と秋の育つ時期は、土が乾けば2週間に1回ほどになることが多いです。真夏と冬は土が乾いてからさらに間をあけ、月に1回ほどに減らします。回数は置き場所で大きく変わるので、日数より土の乾き具合で決めてください。水やりの基本は、水やりの記事でもくわしく扱っています。
\ 水やりの基本と「乾いた」の見分け方 /
土と鉢|水はけのよい土と、小さめの鉢
観葉植物用の土より、多肉植物・サボテン用として売られている水はけのよい土が向いています。手持ちの土を使うなら、軽石や赤玉土の小粒を混ぜて水はけをよくしてください。鉢は株に合った小さめのものを選ぶと、土が早く乾いて根腐れしにくくなります。
配合を考えるのが面倒なら、はじめから多肉植物用に作られた培養土を使うのが手軽です。
― サボテン・多肉植物用の培養土 ―
植え替えは1〜2年に一度、育つ時期のはじめに行います。植え替えたあとは1週間ほど水を控え、根が落ち着いてから与えてください。肥料は多くいりません。育つ時期に薄めた液体肥料を月1回ほど与えれば十分で、与えすぎると徒長の原因になります。
季節ごとの多肉植物の管理|春と秋に育て、夏と冬は休ませる
春秋型の多肉植物は、春と秋によく育ち、真夏と冬は成長がゆっくりになります。育つ時期は日によく当てて水をしっかり与え、休む時期は水と肥料を控えるのが基本です。夏型は冬、冬型は夏に水を控えます。
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| 季節 | 春秋型の管理 |
|---|---|
| 春(3〜5月) | よく育つ時期。日当たりのよい場所で、土が乾いたらたっぷり水をやる。植え替えや葉挿しに向く |
| 夏(6〜8月) | 蒸し暑さで弱りやすい。強い日差しを避け、風通しをよくして水は控えめに。肥料は止める |
| 秋(9〜11月) | 再びよく育つ時期。日によく当てると葉がきれいに色づく。寒くなるにつれ水やりの間隔をあける |
| 冬(12〜2月) | 成長がゆっくりになる。5℃を下回る場所は避け、明るい室内へ。水は月に1回ほどに減らす |
夏にエアコンの効いた室内で育てるときは、風が直接当たらない場所に置いてください。冬は窓辺が夜に冷えこむので、寒さに弱いカランコエなどは部屋の内側へ移します。
多肉植物の増やし方|葉挿し・挿し木・株分け
多肉植物は、葉を土の上に置く葉挿し・切った茎を挿す挿し木・子株を分ける株分けで増やせます。いちばん成功しやすいのは、よく育つ春と秋です。
葉挿し|葉を土の上に置くだけ
エケベリアやセダム、グラプトペタルムなどは葉挿しで増やせます。元気な葉を、つけ根ごときれいに外れるように左右にそっとねじって取ってください。つけ根が欠けると根が出にくくなります。取った葉は明るい日陰で1〜2日乾かし、乾いた土の上に置くだけです。数週間ほどで、つけ根から根と小さな芽が出てきます。根が出てから、霧吹きで軽く湿らせてください。
挿し木|伸びた茎を切って挿す
クラッスラやセダムなど茎が伸びる仲間は、茎を切って挿し木にできます。徒長して伸びた茎を切り、切り口を数日乾かしてから乾いた土に挿します。水やりは1週間ほどしてから始めると、切り口が腐りにくいです。
株分け|子株を根ごと分ける
ハオルチアやアロエなど、株元から子株が出る仲間は株分けで増やします。植え替えのときに子株を根ごと外し、別の鉢に植えてください。植えたあとは1週間ほど水を控えます。
― 挿し木や株分けで増やす方法 ―
多肉植物のよくある失敗|徒長・しわしわ・根腐れの見分け方
多肉植物の失敗でいちばん多いのは、日光不足による徒長と、水のやりすぎによる根腐れです。葉の様子を見れば、原因の見当がつきます。
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| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 茎がひょろひょろ伸びる | 日光不足(徒長) | 明るい場所へ少しずつ移す。伸びた部分は切って挿し木に |
| 葉がしわしわ・薄くなる | 水切れ | 土が乾いていれば、たっぷり水をやる |
| 葉が透けてぶよぶよ・黒くなる | 水のやりすぎ・根腐れ | 水を止め、鉢から抜いて根を見る。傷んだ部分を切り、元気な葉や茎は葉挿し・挿し木で残す |
| 葉に茶色や白い焦げあと | 葉焼け | 真夏の日差しはレースカーテン越しに。暗い場所からは少しずつ慣らす |
| 白い綿のようなものがつく | カイガラムシ | 綿棒や歯ブラシでこすり落とす |
葉がしわしわなのに土が湿っている場合は、根が傷んで水を吸えていないことがあります。土の状態を確かめてから水をやってください。根腐れの見分け方と処置は、根腐れの記事にまとめました。
\ 根腐れの見分け方と復活させる手順 /
気をつけたい害虫
多肉植物は病気の心配が少ない一方で、害虫はときどきつきます。茎や葉に出やすいのは、白い綿のようなカイガラムシ、新芽に群がるアブラムシ、乾燥した時期に葉の色をかすれさせるハダニ、花や葉を傷めるアザミウマです。根につくネジラミ(サボテンネコナカイガラムシ)は外から見えないので、植え替えのときに根に白い粉のようなものがついていないか確かめてください。どれも見つけたら早めに取り除き、数が多いときは多肉植物に使える殺虫剤で退治します。内容は、NHK出版「みんなの趣味の園芸」のエケベリアの解説と照らして確かめています。
多肉植物の寄せ植え|育て方の似た仲間を組み合わせる
寄せ植えを長く楽しむこつは、日当たりや水やりの好みが似た仲間を組み合わせることです。エケベリア・セダム・クラッスラのような日なたを好む春秋型どうしなら、同じ鉢でも管理しやすいでしょう。反対に明るい日陰を好むハオルチアと日なたを好むエケベリアを同じ鉢に植えると、どちらかが弱りやすいので気をつけてください。
鉢は底に穴のある浅めのものを選び、多肉植物用の土を使ってください。背の高いものを奥に、低く広がるものを手前に置くと奥行きが出ます。植えたあとは1週間ほど水を控えてください。
多肉植物でよくある質問
まとめ|多肉植物は「日によく当て、乾いてからたっぷり」
多肉植物は、よく日の当たる場所に置いて土がしっかり乾いてからたっぷり水をやれば、初心者でも長く楽しめます。真夏と冬は水と肥料を控え、葉の様子から徒長や根腐れに早く気づくことが、枯らさないこつです。
- 日の当たる窓辺に置く。ハオルチアとガステリアは明るい日陰に
- 水やりは土がしっかり乾いてから。受け皿の水は捨てる
- 土は多肉植物用か、軽石を混ぜて水はけをよくしたものを使う
- 春秋型は真夏と冬に水と肥料を控える
- 冬は5℃を下回らない室内の明るい場所へ
ぷっくりした葉の形や、秋に色づく姿は、多肉植物ならではの楽しみです。私も何度か枯らしてから、水をやる前に土を触るようになりました。まずは育てやすいエケベリアやセダムから、ひと鉢はじめてみてください。
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