サボテンは電磁波を吸収する?実測でわかった真相と、デスクの緑の本当の価値

パソコンの横に小さなサボテン。一度は見たことがあるんじゃないでしょうか。「電磁波を吸ってくれる」と言われ、今もフリマアプリでは「電磁波サボテン」という名前で売られています。なんとなく体に良さそう、という理由で置いている人も多いはずです。

私自身、学生のころにブラウン管モニターの横へ、母が買ってきた小さなサボテンを置いていました。「電磁波に効くらしい」と言われ、当時は素直に信じていたんです。目の疲れまで軽くなった気さえしていました。でも、本当に効いていたのか。あらためて調べてみたら、思っていた話とはずいぶん違っていました。

この記事では、サボテンが電磁波を吸収するのかを、実測検証や専門家の見解から確かめます。なぜこの説が広まったのか。今のパソコンはそもそもどうなのか。そしてデスクに植物を置く本当の価値まで、ひとつずつ整理しました。

読み終わるころには、サボテンが電磁波よけになるのかどうかと、デスクの緑との上手なつき合い方が見えているはずです。買う前の人にも、もう置いている人にも役立つはずなので、気軽に読んでみてください。

「サボテンは電磁波を吸収する」説は、今もフリマで売られている

「サボテンが電磁波を吸う」という話は1990年代から続く都市伝説で、今もセレウスという品種が「電磁波サボテン」として通販やフリマで売られています。信じている人は意外と多く、セキュリティ企業カスペルスキーの調査では、今も37%の人がこの説を信じているそうです。3人に1人以上、と聞くとなかなかの数ですよね。

なぜ「セレウス」というサボテンが選ばれたのか

「電磁波サボテン」として売られているのは、たいていセレウス・ペルビアナスという柱状のサボテンです。南米原産で、まっすぐ上に伸びる見た目から「電磁波サボテン」とも呼ばれてきました。強い日ざしの下で育つから電磁波にも強い、という説明がよく添えられています。ただ、これはあくまで売り文句で、根拠が示されているわけではありません。

知恵袋には「電磁波に苦しんで購入を検討」する声も

Yahoo!知恵袋をのぞくと、「パソコンの電磁波に苦しんでいるので、電磁波サボテンを買おうと思っている」といった相談が今も残っています。それだけ電磁波への不安は根強いということなんですよね。気持ちはとてもよく分かります。ただ、その不安にサボテンが応えてくれるのかは、いったん立ち止まって考えたいところです。

結論|サボテンや観葉植物が電磁波を吸収する科学的根拠はない

先に結論を書きます。サボテンを含めて、植物が電磁波を吸収したり遮ったりする科学的な根拠は確認されていません。電磁波の測定を専門にする業者が、実際にパソコンの横へサボテンを置いて測っても、数値はまったく下がらなかったと報告しています。残念ですが、「電磁波よけ」としての効果は期待できないんです。

実測しても、数値は変わらなかった

もっとも分かりやすいのが、電磁波の測定を仕事にしている業者による検証です。パソコンの前にサボテンを置いた場合と置かない場合で電磁波の強さを比べたところ、数値に違いは出ませんでした。海外でも、サボテンをモニターの前後で位置を変えながら測った検証があり、こちらも電磁波の強さは変わらなかったとされています。機械できちんと測ると、効果はゼロだったわけです。

そもそも植物に「電磁波を吸う」仕組みがない

考えてみれば当然で、植物の体には電磁波を吸収するような特別な仕組みはありません。トゲや水分が電波を吸ってくれそうなイメージを持つ人もいますが、そうした性質は見つかっていないんです。植物が取り込んで活用しているのは、あくまで光合成に使う「光」だけ。同じ電磁波の仲間でも、目に見える光と、パソコンから出る電磁波は別物として考える必要があります。

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検証 方法 結果
電磁波測定の専門業者 パソコンの横にサボテンを置いて実測 数値の減衰なし
海外の検証(モニター前後) 置く位置を変えながら電磁波を測定 強さに影響なし
専門家に共通する見解 植物に電磁波を吸う仕組みはない 科学的根拠なし

なぜ「電磁波サボテン」は生まれたのか|NASA研究の誤解と1つの逸話

この都市伝説のおおもとは、NASAの「空気をきれいにする植物」の研究にあるとされています。本来は、植物がホルムアルデヒドなどの有害物質を吸うかどうかを調べた研究でした。それが「植物は空気を浄化する」から「電磁波もなんとなく浄化してくれそう」へと、少しずつすり替わって広まったと考えられています。

電磁波サボテンの都市伝説が広まった3つの誤解の流れ図。NASA空気清浄研究の誤解から商品化、実測では数値が変わらないまで

NASAの研究は「空気清浄」であって「電磁波」ではない

もとになったNASAの研究は、密閉された宇宙空間で空気をきれいに保つために、植物が有害なガスを吸収できるかを調べたものです。対象はホルムアルデヒドやベンゼンといった化学物質で、電磁波はまったく関係ありません。「NASAが認めた」という響きの強さだけが一人歩きして、「体に良い」「電磁波にも効く」というイメージにふくらんでいったんですね。研究の中身よりも、肩書きのほうが広まってしまった例だと思います。

\ NASAの研究が本当に示した「空気をきれいにする植物」 /

「証券取引所で数値が下がった」という出所不明の逸話

もうひとつ広まりを後押ししたのが、「ニューヨークの証券取引所でパソコンの横にサボテンを置いたら、電磁波の数値が正常に戻った」という逸話です。いかにも説得力のありそうな話ですが、出どころははっきりしません。そして、そこに置かれていたのがセレウスだったという形で品種の名前まで添えられ、「電磁波サボテン」というブランドができあがっていきました。うまくできた話ほど、つい信じたくなるものですよね。

1990年代の「電磁波ブーム」が土台になった

背景には、当時の空気もあります。1990年代はパソコンや携帯電話が一気に広まった時期で、「電磁波は体に悪いのでは」という不安がメディアでもよく取り上げられました。その不安の受け皿として、手軽でおしゃれな「サボテン」がちょうどよくはまったわけです。怖さと、手軽な解決策。このふたつがセットになると、こういう話は驚くほど早く広まっていきます。

そもそも今のパソコンは電磁波が少ない|サボテン以前のパソコン事情

仮にサボテンに効果があったとしても、今のパソコンではそもそも対策の必要性がかなり薄れています。当時の主役だったブラウン管モニターと違い、今の液晶やノートパソコンから出る電磁波はずっと小さいからです。土台になっていた「電磁波が怖い」という前提そのものが、機器の進化でだいぶ弱くなっているんですね。

ブラウン管から液晶へ、機器が大きく変わった

「電磁波サボテン」が流行ったころ、パソコンのモニターは分厚いブラウン管が主流でした。私が最初に触ったパソコンも、机の奥行きをめいっぱい使う、あの分厚いブラウン管だったのを覚えています。ブラウン管は電子を飛ばして画面を光らせる仕組みで、それなりの電磁波を出していました。今のノートパソコンや液晶モニターは、まったく別の仕組みで画面を表示しています。スマホもパソコンも各国の安全基準を満たすように作られていて、過剰に怖がる必要はないと考えられています。流行の前提だった分厚いモニターは、もう手元にないという人がほとんどなんじゃないでしょうか。

では、デスクにサボテンや観葉植物を置く”本当の価値”とは

電磁波よけにはならなくても、デスクに緑を置く意味はちゃんとあります。画面から目を離して緑を眺めると、視覚的な疲れがやわらぐそうです。さらに視界に1〜2割ほど緑があると、気持ちが落ち着いて集中しやすいともいわれます。電磁波ではなく、目と心のほうに効くと考えると分かりやすいです。

画面の合間に緑を見ると、目が休まる

パソコン作業を続けると、ピントが近くで固定されたままになって目が疲れます。少し離れた場所の植物にときどき視線を移すと、自然とピントが切り替わって、目の緊張がふっとほぐれる。私もデスクに小さな鉢を置くようになってから、夕方の目の重さが少しましになった実感があります。これは「気のせい」ではなく、視線を動かす習慣そのものに意味があるんですよね。

― 仕事がはかどるデスクの観葉植物の選び方と置き方 ―

視界の「緑の割合」が、集中をうながす

オフィス緑化の分野では、視界に占める緑の割合が1〜2割くらいのとき、快適さや集中しやすさが高まるとよく言われます。机いっぱいに植物を並べる必要はありません。手のひらサイズのサボテンや観葉植物が、目線の少し先にひとつあるだけで十分です。電磁波を吸う代わりに、あなたの集中をそっと助けてくれる。そう考えると、置く意味がぐっと前向きになりませんか。

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デスクの緑に期待できること 何が起きるか 確からしさ
視覚疲労の軽減 画面から視線を外して緑を見ると目が休まる 報告あり
緑視率と快適性 視界の1〜2割が緑だと落ち着いて集中しやすい 広く指摘される
リラックス 眺めると気持ちが落ち着く 報告あり
電磁波の吸収 数値は変わらない 根拠なし

サボテンや多肉は、そもそも育てやすくて楽しい

そして見落とされがちですが、サボテンや多肉植物は単純に育てやすくて楽しい植物です。乾燥に強く、水やりは少なめでいいので、忙しい在宅ワークのお供にぴったり。電磁波よけという肩書きを外しても、デスクの相棒として十分に魅力的なんです。せっかくなら「効くから」ではなく、「好きだから」で選んであげたいですよね。

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それでも電磁波が気になる人へ|植物に頼らない現実的な対策

「それでも電磁波が心配」という人もいると思います。その場合に頼りたいのは、サボテンではありません。機器との距離をとる・使う時間を区切る・専用のシールド製品を使うといった、効果のはっきりした方法のほうが現実的です。心配を植物で安心に変えてしまうと、肝心の対策がおろそかになることもあります。

距離をとる・時間を区切るのが基本

電磁波は発生源から離れるほど弱まります。ノートパソコンを膝に乗せっぱなしにしない、スマホを枕元に置いて寝ない。そんな小さな工夫のほうが、サボテンを一鉢置くよりずっと意味があります。使う時間を決めて休憩をはさむのも、目の疲れ対策と一石二鳥です。気になる人ほど、こうした基本から見直してみてください。

本気の対策なら、専用のシールド製品を

仕事の都合などで本格的に対策したい場合は、電磁波を遮るために作られた専用のシールド素材やフィルムがあります。植物のように「なんとなく」ではなく、遮蔽を目的に設計された製品です。ここまでする必要がある人は多くないと思いますが、選択肢として知っておくと安心材料にはなります。少なくとも、サボテンに過度な期待をかけるよりは確実です。

まとめ|サボテンは”電磁波よけ”でなく、目と心の休憩に効く

「サボテンは電磁波を吸収する」の答えは、はっきり「ノー」でした。でも、だからといってデスクのサボテンに意味がないわけではありません。最後に、この記事で見えたことを整理しておきます。

「電磁波サボテン」検証のまとめ
  • サボテンや観葉植物が電磁波を吸収する科学的根拠はなく、実測でも数値は変わらない
  • 都市伝説のおおもとは、NASAの「空気清浄」研究が「電磁波も浄化」へとすり替わったこと
  • 今のパソコンはブラウン管時代より電磁波が小さく、そもそも前提が弱くなっている
  • デスクの緑の本当の価値は、視覚疲労の軽減や集中しやすさといった「目と心」への効果

だから、デスクにサボテンを置くのはおすすめです。電磁波を吸ってくれるからではなく、ふと目を上げたときにそこに緑があること自体が、働く時間を少しだけやわらかくしてくれるから。効能の肩書きはいったん忘れて、純粋に「好きな一鉢」を選んでみてください。そのほうが、きっと長く付き合えますからね。

もし新しく迎えるなら、最初から元気な株を選ぶのが、枯らさないいちばんのコツです。サボテンや観葉植物は、配送や養生の質で届く状態がずいぶん変わります。信頼できる通販を選んでおくと、「届いたら弱っていた」という残念なスタートだけは避けられますからね。

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この記事を書いた人
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アワツ
都心のマンションで観葉植物を育てている管理人。最初は小さなパキラ一鉢から始め、今はモンステラ・サンスベリア・アグラオネマなどを部屋のあちこちで育てています。何度も枯らした失敗をもとに、部屋の環境に合わせた育て方を実体験ベースで発信中。専門書や公的機関の情報を裏取りし、正確さと初心者目線を大切にしています。
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